お湯洗い珈琲

雑味が無くなれば、珈琲は驚くほどスッキリし、クリアな味になります。
雑味の原因は、生豆に着いた汚れや農薬、それから虫食いや変形のある欠点豆。

大黒天珈琲のお湯洗いシリーズは、50℃のお湯で丁寧に手洗いすることで生豆の汚れを落とし、カビ豆などの欠点豆を丁寧に何度もピッキング、水蒸気焙煎で豆の芯まで乾煎りしているので、雑味が無い、スッキリしていて冷めても美味しい、珈琲本来の味を楽しむことができます。

写真は、水道水と珈琲の木豆を一度お湯洗いした後のお湯。
軽く洗うだけで、これくらいお湯が濁るくらい珈琲の生豆は汚れています。
この汚れが焙煎をしたとき、焦げたり化学変化をして、雑味になってしまうのです。

生豆の汚れの原因

生成時の汚れた水

水洗式(ウオッシュド)の場合、発酵槽に30~70時間浸けて珈琲の実の粘液質の部分を微生物に分解させます。
その際に使われる水が、雨水などの衛生的ではない現地の溜め水の場合が多いのです。
この水の汚れが生豆についてしまいます。

輸送時の防カビ・防虫剤

日本まで船で運ぶ際、カビや虫食いを抑えるためにポストハーベスト燻蒸(防カビ・防虫剤の農薬で蒸す処理)がされます。
でも、そういった処理をしたとしても、船底の常温コンテナに 1ヵ月近く入れられたまま赤道直下を運行するため、温度差による結露が出て、虫食いやカビが発生するリスクはゼロではありません。(一部真空ビニールパックに入れられ冷蔵で輸送されたり、空輸されたりする豆もあります)

雑な包装と保管

日本では、口に入るものは衛生的に管理されるのが当たり前ですが、国によっては、そういった衛生への意識が低いところもあります。
ホコリや虫が侵入しやすい麻袋に入れたまま、衛生環境が守られていない倉庫や車で保管や輸送されるので埃や汚れが付着してしまいます。

これらの汚れを取り除くと、雑味の無い、珈琲本来の味を楽しめる豆になります。
大黒天珈琲のお湯洗い珈琲は、珈琲が苦手というお客様からも「とてもスッキリしてて、美味しくて、これなら飲める」とお褒めの言葉をいただいています。

お湯洗い珈琲ができるまで

大黒天珈琲のお湯洗い珈琲は、珈琲豆本来の味を楽しんでいただくために、極限まで雑味の原因を取り除くことにこだわっています。
STEP
最初の欠点豆ピッキング

どんなにグレードの高い豆でも、5~8%ほどの欠点豆が存在します。
カビ豆、虫食い豆、変形豆、割れ豆などの欠点豆を、時間をかけて丁寧に取り除いていきます。
焙煎後にピッキングしているところもありますが、焙煎後ではカビ豆など汚れの付いた豆の見分けがつかなくなるので、焙煎前にピッキングを行っています。

STEP
お湯洗い

50℃のお湯を使い、手洗いで生豆に着いた汚れを洗い流します。
例えば、カビ豆が数個でもあると、そのカビ豆から出たカビの胞子は飛散して麻袋内の全ての豆の表面に付着しています。
水ではなくお湯で洗うのは、温度が高いと、生豆の表面に着いた汚れや農薬だけでなく、カビの胞子も洗い流すことができるからです。

STEP
2度目の欠点豆ピッキング

お湯で洗うことで、外見だけではわからない豆内部のカビや虫食いが目視できるようになるので、2回目のピッキングを行い、欠点豆を丁寧に取り除きます。
※写真:豆内部のカビが青緑色になる、虫食い豆も茶色くわかるようになる

STEP
水蒸気焙煎

お湯洗い後のピッキングが終わった豆を濡れたまま焙煎します。
蒸すことによって豆の芯までじっくりと熱が加わり、豆内部の生焼けや、表面を焦がしたり燻すことないので、豆の味を極限まで引き出す焙煎ができます。

STEP
3回目の欠点豆のピッキング

焙煎後にようやく目視できるようになる、色の薄い未成熟豆や剥がれ豆などを丁寧にピッキングします。

STEP
熟成させる

コーヒー生豆には 1,000種類以上の香りの前駆体が含まれていますが、人間が風味として認識できるのは 50種類前後。
香りの前駆体は焙煎により「香り成分」に昇華しますが、焙煎直後は香り成分に昇華しただけで、まだ「香り」として育っていないので熟成期間が必要です。
香り成分によって成長する速さが違いますので、約 50種類の成長が揃うタイミングまで、静かに寝かせて熟成させてから袋詰めをします。

よくあるご質問

どんな飲み方が一番美味しいですか?

雑味が混ざらない最初のドリップが、一番おいしく珈琲本来の味を楽しんでいただけます。
例えば、豆の量 30gでコーヒー 3杯分(360㎖)ドリップをするなら、最初の100㎖が最もうま味成分が抽出され、雑味が混ざることがありません。
最初にドリップした100㎖の原液は、好みで2.5~3倍希釈することでアイスでもホットでもお楽しみいただけます。

美味しく飲める賞味期限はどれくらいですか?

賞味期限は、常温保存で焙煎日より2ヶ月ほどです。
普段、冷蔵庫の保存で賞味期限は2週間…といった豆を購入している人は、賞味期限の長さに驚かれるかもしれませんが、防腐剤などを使っているわけではありません。

大黒天珈琲のお湯洗い珈琲は、水蒸気焙煎で豆の芯まで焦がさず燻さずキチンと乾煎りしているので常温保存で2ヶ月、変わらぬ味を楽しむことができるのです。
逆に、冷蔵庫に入れると豆の熟成が止まるのでお勧めしておりません。
(水蒸気焙煎とは、過熱水蒸気を用いて食材の風味の劣化と酸化を抑え、殺菌・乾燥を行う焙煎方法)

ドリップしたてでなくても美味しく飲めるのですか?

珈琲は、「煎りたて、挽きたて、淹れたて」が一番美味しいというイメージを持っている方が多いようです。
でも、珈琲豆は、生鮮食品ではなく加工食品なので、一番美味しいタイミングは加工方法によって違います。
大黒天珈琲のお湯洗い珈琲は、水蒸気焙煎で豆の芯まで火を通し、水分を取り除いているので、煎りたてをドリップするより、熟成させてからの方が美味しく飲めます(熟成期間:1~2週間程度)
また、お湯洗い珈琲の場合、原液抽出したドリップ液は、蒸れたて(ドリップ直後)でも美味しいのですのですが、原液のまま1~2日置いた方が味に丸みが出てより美味しくなります。(原液は常温なら2~3日、冷蔵庫なら1週間保存できます)